それから…少し会話を交わして。
名残惜しみながら、教官室を後にする。
ここに…稔と訪れるのはもう最後。
そう考えると、どうしようもなく足取りが重く感じた。
そんなあたしに気付いたのか、稔は必要以上に明るく振る舞っている。
沈んでしまった心は、そんなテンションについていけず…あたしはひたすら頷いていた。
『詩歌…元気だせよ』
そんな稔の先程と正反対の真剣な声色。
「そうだね!!」
…稔の言うとおりだ。
あたしが…落ち込んでたら駄目だ。
『…東階段行こうぜ』
無理してるあたしに気づいているのか、稔は先程と同じ声色で静かにそう言う。
あたしはそんな稔に、気付きながらも元気を装って力強く頷いた。


