僕と君との境界線【BL】

言うべきかどうか、迷った。

桃井の感触が、まだ唇に鮮明に残っている。

ミントグリーンのような爽やかな香りも、肌の冷たさも、頭に置かれた手のぬくもりも…。



「フミちゃん!…一体、何があったんだ!」


「何も…」


「顔が…赤い!」


「あー…、うるさい…」


「フミちゃん!?俺のフミちゃんが!」



鏡で顔を確認しなくてもわかる。

耳が熱い。

身体が熱い…。


触れられた唇が――…熱い。




「俺の初恋…」


「は…?」


「なんでも…ない…」