「しっかし、ミドリちゃんもすげぇよな…」
橘がぽつりと呟いた。
「ねー、好きな子のために転校までするんだもん」
「だよな、…だけどな…、俺のフミちゃんの心をもてあそんだのは許せねぇ」
「そうだよね…、そこまで回りくどいことしなくても、きちんと向き合って話し合えばいんだもんね」
僕は膝を抱えてベッドに寝転んだ。
ダブルベッドだから別に3人が寝ても、ギリギリで大丈夫なスペースだ。
短いため息を吐くだけの僕に、みっちゃんが
「桃井君は、フミ君の気持ち知ってるの?」
「まさか…知ってたら…、こんなに僕がへこむわけないだろ…。大体、僕、桃井なんてどうでもいいし…」
「もー、意地はっちゃって!さっきの涙は、桃井君のための涙なんでしょ?」
みっちゃんは、僕の太ももペチリと叩いた。
