「フミちゃん、怖い、俺を隠して」



橘は僕の背中にさっと身を隠した。



完全に、この状況を楽しんでいる。

口元からは笑みが絶えない。


こんなに嫌な奴なのに、たまに見せる笑顔が女子には拝むほどの威力らしい。


だからなのか、橘の悪ふざけにも、女子は黙って耐えるしかない。


たぶん、嫌われたくないのだろう。

僕には理解できないが、橘の存在にはそれほどの魅力があるのだ。

約、1名を除いては…。





「バカ!あんたは!」


「げぇっ、みっちゃん!」