「なぁ、フミちゃん」 「何だよ」 「桃井と戌井って…知り合いなわけ?」 「知らない…」 「でもね、フミ君…。あたしたち、あの後、2人に屋上から追い出されたんだよ?」 「そうそう…、桃井が強引に!」 「へー…」 「桃井君の、あんな顔初めて見ちゃった」 「……ふーん…」 「深刻そうな顔してだな…なんか、修羅場って感じだったぞ」 「そうそう、まるで、映画のワンシーンみたいだったのよ」 「………そ……」 「「何で、そんなに仏頂面なの??」」 2人の重なった声に、僕はくらりと眩暈がした。