さっと、顔から血の気が引いていくのがわかった。




僕…、もしかして…、桃井の事、好きになったりしてないか?





「まさか…まさか…」




屋上へと伸びた階段を見上げた。


扉は閉ざされ、上でどんな会話が交わされているのか予測するのは、地球に似た惑星が宇宙に存在するのかどうかを議論するぐらいに、難しい。


考えたくもない。

だが、考えた結果、出る答えは――、僕の望むようなものなのだろうか。


最悪だ。

戌井と、桃井。

僕と桃井…。


神様、どうか…。

あの2人が、屋上から二度と戻ってきませんように。

それから、僕が桃井のこと、好きになったりしませんように…。