橘がぐりぐりと、頭を僕の胸に押し付けてくる。 その力の強いのなんのって…この、馬鹿力! 「ダメだよ、オレのだから」 落ち着いた桃井の声がしたと同時に、橘の身体が吹き飛んだ。 吹き飛んだ――というよりも、蹴飛ばされた。 「げぇ…」 「バカね…、邪魔したりするから」 みっちゃんは呆れた顔で、倒れこんだ橘を起こす。 僕はというと――。 「離せよ…」 「ダメ、オレんだもん」