僕は、顔が赤いのを両手で必死に隠しながら、屋上へと向かった。 桃井は、距離をとって歩こうとする僕の心情を無視するかのように、無理やり肩を引き寄せて歩こうとする。 「歩きにくい!」 「彼氏兼彼女の、オレの特権だもん」 「だー…もう…」 いらっとする。 こういうサラっと言いのけるところ、ムカつく。 お前は、どこの王子様だよ! 「ついてくるな…ひっつくな!」 「ダメ、イヤ」 「じゃ、もう少し離れろ!」 「ダメ、イヤ」