「何…」 「別に?」 「じゃ、呼ぶなよ…」 「何で?」 「用がないんだろ?」 「用がなくとも、名前は呼ぶ」 「何で?」 「史高は、オレの彼氏兼彼女だから」 桃井は、平然と、そんな事を言う。 僕は頭をかきむしりたくなる衝動を何とか抑えた。 胸がかゆい…。 かいている所は頭だが、胸の奥底に虫が這うようにむず痒い。