僕と君との境界線【BL】

「身長…何センチあるんだ?」


「175…、まだ、伸びるよ、たぶん」



僕は、桃井の顔を見ない。


顔を合わせれば、今、僕がどんなに悔しい顔をしているかばれてしまう。


身長175だと!?

まだ、伸びる、だと!?



「あのさ、史高。オレが付き合いたいって言ったのは、ただのカモフラージュなんだ」


「は?」


桃井の声は冷静だった。


足は止めず、僕と桃井はそのまま歩いた。




「好きな子がいてさ…、ずっと付き合ってて、でも、ある理由があって離れ離れになった。その子の名前は、あえて伏せておくけど…、史高のクラスにいるんだ、その子」


「そう…なのか?」


桃井は返事の代わりに、僕を見下ろし苦笑した。