僕と君との境界線【BL】



―――


――――



という決心は実行できなかった。



「そんなに離れて歩かなくても、噛みつかないけど?」


「わかってる」



まだ見知らぬ土地だからという理由で、僕と桃井は揃って下校しなければならなかった。


担任の強引な要求には、断るにも断れないし。


橘は、僕の身の危険を感じたのか、一緒に帰ろうとはしてくれたが、みっちゃんの手によって、阻まれたし。



「あのさぁ…」


「聴こえないから、もう少し近く歩いても?」


僕がいいと言うよりも先に、桃井は僕の隣に歩み寄る。


こうして並ぶだけで、桃井の身長は僕の頭ふたつぶんぐらい抜きんでている。