僕と君との境界線【BL】

と捨て台詞を言い残し、屋上から足早に逃げ出した。


まだ食べかけの弁当もあったのに。

僕は、途中、足が絡まり、階段から何度も滑り落ちそうになった。



告白されて、嫌な気持ちになったとか、そういうのは不思議と全然なかった。


ただ、相手が相手だから。



いくら綺麗でも、男だし…。

そう、男だし。



桃井の恐ろしく、整った顔を思い出す。

橘も、整ってはいるが、桃井は別次元。



だから、嫌悪感はない――…、んだけど、だけど。



「男だしな!」



僕は思いっきり、首を振った。


今後、桃井に近づくのはやめよう――、そう決心をしながら…。