「へぇ…、変わった名前なんだ」


「悪い?」


「いいや、全然?」



桃井はしばらく目を閉じて


「じゃ、史高って呼ぼう」


「それ、わかってる?苗字だよ?」



一応、まぁ、一応、念のため聞いておく。


一度聞いただけじゃ、僕の名前と名字は理解されにくい。



だが、桃井の顔は、そんなの知ってるよ、だから?という複雑な表情だ。



「オレの事は、桃井でいいよ…、翠でもいいけど、そっちは何だか女の子っぽいだろ?お勧めは、桃井かな」


「ミドリちゃん!」


「橘、うるさい!」