「フミちゃん!」


「橘、うるさい」



何をムキになるのか、橘は、ここぞとばかりに叫んだ。

みっちゃんは何も言わず、ただジト目で橘を睨んだ。




桃井はサンドイッチを頬張りながら言った。


食べる時でも、何だかこの桃井は、英国の騎士みたいに優雅で上品だ。

パンカスひとつも、こぼさず、丁寧に、一口一口噛み砕いていくんだ。



「史高吉野…」


「俺は、フミちゃんって呼んで…もがっ…」


「口の中にいっぱい食べモノある時は、口を塞ぐ…あ、続けてね」


橘は、ハムスターみたいに膨らんだ頬を、両手でみっちゃんに押さえつけられていた。



同じ、イケメンでも、こいつ、橘は汚い…。