「だ…だぁ、ちょっと…」


僕の抗議はむなしく終わった。

何故なら、僕の声と同時にチャイムが鳴ったからだ。


なんで、よりによって僕なんだ…。



ただ、そんな疑問をぶつけても、何にしたって満足のいく回答を得られないのは確かだった。


担任は、いつも決まって、先に目が合った者に用事を託す。


一瞬だが、片目だけ目が合ったのは、僕にも非があったのだ。




「フミちゃん!…」



橘の声が、後ろから聞こえた。

うっとうしいので僕はあえて、無視をした。



すると、桃井と自然と目が合った。