「じゃ、吉野、お前とりあえず、桃井のこと宜しくな」


「え…?」


「なんで!」



上から、担任、僕、それから、何故だか橘の声が重なった。



「なんでって…橘…そんなの俺が聞きたい」


担任は腕を組んで、橘と僕を交互に見た。


いや、僕は関係ないしね。



「何でって、先生が面倒みりゃいいじゃないっすか…」


「俺は忙しいの。なんなら、お前が面倒引き受けるか?」



橘は心底嫌そうに、桃井を見た。

桃井は、ふっと笑うだけだ。



「じゃ、吉野、よろしくな」