「双子…だって!?」


桃井と戌井は同時に頷いた。



「だ、だって、桃井は好きな子がいるって…」


「うん…ごめん…」


すまなそうに桃井は謝った。


そんな桃井を見かねて、戌井が



「私と翠は双子の兄妹なんだけど。お互いの両親が離婚して、私は母親に、翠は父親の方に…そんなので、長い間、お互い疎遠だったの。で、私があんまり学校に来ないもんだから――…、兄の翠が見かねて私の様子を見にきたっていうわけ。わざわざ、転校してまで…もうっ、そんな事、心配しなくてもいいのに」




「仕方がないだろ…、母さんが、心配だって…、オレに電話をしてきたんだから」



「だからって、転校するかなぁ…」



「さぁね…、でも、来てよかった」



僕を置いて、桃井と戌井は2人の会話を弾ませる。

いやいや――…いやいやいや!