私は海ちゃんだと思い夢中で泣いていたけど、ハッ!と我に戻り、パッ!と王子から離れた。


そして、ずっと疑問に思っていた事を尋ねた。


「海ちゃんって、女の子じゃないの?あっ!男装してるとか!」


そんなアホみたいな事を言っている私に王子が、またもや笑いながら、


「違うよ~ちゃんとした男だよ!」


「ぢゃ~なんで、あの時に教えてくれなかったの?」


「だって!夢ちゃんが俺の事女の子って思ってんだったら、別にそれでもいいかなぁ~と思って。」


と、王子はおどけて言った。


私は今になって気づいた。


「もしかして…海ちゃんの海って…。」


「そっ!海斗の海。俺、小さい頃自分の事、海って呼んでたから。まっ!今でもあだ名で呼ばれるけどね!」