『優姫ちゃんの心臓、俺らと変わらん…どきどき言っとる。なのに』 「…さくらい、」 がたん、と椅子を蹴飛ばし、桜井は俺に掴みかかってきてた。 でも俺は、何もしてやる事が…出来んくて。 『何で、なん…!?何で優姫ちゃんなんや…っ』 しばらくその手は震えてて、行き場の無い怒りが俺にまで伝わってきたけど。 俺のシャツを握った手がふっと緩み、桜井は窓の外を見た。 もう夕方になる外の景色は、オレンジというよりも真っ赤に染まっとった。