オトンから告げられた言葉。



信じられんかった。


世界中のもの全てがスローモーションになったんじゃないかってくらい、部屋は静かで、誰も動こうとしなかった。




「オト、ン…今、何て言った…?」





信じとうない。
オトンは顔を歪めながら、ゆっくり口を開いた。





『心臓病や、言うたんや』



「だって、今までそんな感じ一度もせえへんかったやんか!」



『……桜井君、心臓病について、ちょお喋ってみ?』





それまでずっと口を開かんかった桜井が、ゆっくりと口を開けて喋りだす。



声が、枯れていた。