「夏が終わったら
どっか行こうなっ」


「うん」


高校球児にとって,
たとえ1年だろうが
”夏”の存在は大きい。

夏は3回しかチャンスがない。
1.2年で甲子園の土を
踏める人たちは
数少ないんだ。

隼翔にはきっと
そのチャンスがある。


「野球ばっかだな,俺」


「いいじゃん。
好きなことやってる人って
どんな人より
かっこいいと思うけど?」


これって本当のあたしの本心。


人にはよく変って言われるけど
あたしは付き合った人と
毎日会いたいとか,
メールしたいとか…
そういう風にあんま思わない。
不安にはなるけど,
やっぱりその人が
一番好きなことを
思いっきりやってる方が
お互いにとっても
いいんじゃないかな‥って。


それを伝えたら隼翔は

「なんかあったら
すぐ言えよ」


って言ってくれた。