「正直,振られると思った」


帰りの電車の中で
隼翔が口を開いた。


「なんで?あたしこそ
こんな風になるとか
思ってもなかった」


「陽吾と仲よさそうだったし」


「陽吾?
初めて会ったときから
あたし隼翔の近くに居たじゃん」


「そうだけど,すごい
懐かしそうだったから
真帆が陽吾を見てる眼が」


心当たりなんてない。
なんだろう…懐かしいとか。


「たまたまじゃない?」


「かもしれん」


あたしの肩を引き寄せて
隼翔は黙る。