電車に乗って5分くらいたったころ。


「ねえ,どこに向かってるの?」


そう聞いたあたしに


「う-ん,いいところ」

って返す隼翔。

ちゃんとした答えは言ってくれない。


「ねえっ」


何回も隣に座る隼翔を

くすぐってみたり

色々とちょっかいを出したけど

あたしなんかよりずっと大人な隼翔は

あたしを通り越して

窓の外を見ながら

静かに過ごしてた。