かける言葉が見つからない。


「隼翔のこれから先の
甲子園でもそうだし,
野球に対する姿勢を
見せることが
今回引退してった先輩に
できる最高の
恩返しじゃない?
成長してまた戻って来ようよ
甲子園に。
最後の夏に自分が
お世話になった人達に
最高の形で
恩返しすることを
周りもきっと望んでるよ?」



あたしの言葉は
あなたに届きましたか?


バスの狭い中で、
隼翔はあたしの頭を
自分の肩に乗せた。



「どうしたの…?」


「こうしてて,
落ち着くから」



甲子園をあとにしてから
30分くらい経っただろうか。


バスの中の人達も明るさを
取り戻しつつあった。