「けど笑ってたもーん。」
「はいはい。」
あ〜。
優汐に今日会えてスッキリした。
心のモヤモヤが取れたって感じ?
「ねぇ諒。」
「んぁ?」
「話しがあるの。」
優汐があまりにも真っ直ぐ俺の目を見て言ったから少しドキっとした。
同時に少し怖い気がした。なんだか、俺の心の奥底で思ってることなのかと。
「な、なに?」
「‥‥‥また帰りに諒ん家来るね!!」
「は?」
「じゃーね〜!!」
「???」
今話せば良いのに。
そう思いながら優汐が帰る姿を見送っていたら、ある男の姿が見えた。
「あのKY野郎‥‥‥。」
優汐が帰ってったのと入れ違いで、彪流が来た。
正確に言うと。彪流が優汐を帰らせて入れ違いにさせた。
「よ!諒ちゃん!!」
「彪流テメェ‥‥‥。」
優汐が帰った理由。
それは、彪流が優汐を睨んでたから。
俺が優汐と話してるときに偶然、優汐の目に入ったんだろう。
彪流は朝の30分と休憩の10分と昼休みの30分の時間しかカノジョ(メグだっけ?)と会えない。
彪流のカノジョはここでは有数の財閥のお嬢様だそうだ。
行き、帰りは送り迎えだから会えない。
休みの日は稽古だがなんかで会えない。
だから平日の1時間10分が2人の会える唯一の時間だそうだ。
そのため少しでも長く会おうと、登校時間は8時30分からなのに俺らは8時に登校している。
「準備は‥‥‥??」
「出来て‥‥る。」
「じゃぁ行くぞ!!50秒の遅れだ!!!」
「はいはい‥‥‥。」