とにかく。

この一家には8羽の子供がいたが、その5番目の子はリトという名前だった。

リトは生れつき片耳が折れて垂れ下がっていたために、聴力が弱かった。

普通に生活していく上では何ら不便はないのだが、彼の役割を果たせないことは大問題だった。

彼らの役割は、狩りをする人間について行って獲物の居場所を教えたり、外敵が迫っていないか常に耳をそばだてていること。