カナリアンソウル

―九月十七日。


『明希くーん。来たよ?』


明希はベッドで気持ちよさそうに眠ってた。


綺麗な顔で。


『明希…寝てるの?』


近寄って顔を見る。


『幸せそう…だね』


あたしはそうじゃないってのにさ…


チラッとテーブルの上を見ると、マグカップの横に例のノートが置いてあった。


『大事なノートが無防備ですけど〜』


“見ちゃえ”という衝動がノートに向かったとき、急に腕の動きが止まった。


「勝手に見ないでくださる?」


細くて色白の手があたしの腕を掴んでいた。


綺麗。


日本人じゃないみたい。


…ハハハ。と軽く笑って腕を引いたとき、制服の上に着ているカーデが片方の肩だけずり落ちた。



“今は夏セーラーだからヤバイ―”



そう思ったとき既に明希は、チラッと一瞬だけ見えたソレに気付いたようだった。


一瞬、明希と目が合う。


『やだ!!』


あたしは必死に抵抗して、掴まれた腕振り回した。


「ちょっ―…」


『嫌だってば!さわんなっ!』


腕をおもいっきり引かれた瞬間、明希の目がある一点を捕えた。


「…お前、コレなに?」