紗織の視線の先には何故か、普通ならば皆と一緒に寝ているはずの2人の子供の姿があった。
2人は教室内のいくつかある窓の一つを開けて軽くそこに寄りかかり、遠目からではわからないが何やら話しているようだ。
「…あれ雪花ちゃんと聡くんですよね」
「・・・・・・・・・」
茜にもそれはわかった。
わかっていた。
2人がああして皆と共に寝ないことは、実はこれが初めてではないのだ。
「…とりあえず寝かしてきます…」
茜はそう言いながら嫌な予感がするのを止められない。
小さい子供にとって寝ることは脳内及び体中の細胞の活性化に繋がるし、今のうちに集団行動を教えないと社会に出た時に大変だ。
そう自分に言い聞かせる。
出来るだけ現実的なことを考えろ。
負けるな、俺。
結果的にはその努力も無駄に終わったが。
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