伝えきれない君の声



「実は…」


あの2人のことを話した。


女性が以前にも現れたこと。
今日は知らない男性と現れたこと。




佐野さんは、
半ば相槌を打ちながら
真剣に聞いてくれた。




「なるほどね。男性のほうはよくわからないけど、その女はどうも気になるな。」


うーん、と首を捻りながら言う。

「もしまた現れたら教えてよ、美春ちゃん。」


心配しなくても大丈夫だよ。
と、優しく励ましてくれた。


私もぎこちない笑みを浮かべ頷いた。