伝えきれない君の声



「憧れる…?」


「うん。」


「1人暮らし、しちゃいけない…とかなんですか?」


「ううん。そういうわけでも無いんだけど、どっちかと言うと…それに近いかな?」


言葉の意味が理解出来ず、
机の上の食事に目を落とす。


考え込んでいると、


そんなに深い意味はないよ。
と、倉田瑞季は苦笑した。










食事を終えて、
お湯を沸かそうと立ち上がると


ふらり。
立ちくらみがした。


「大丈夫?」


慌てて駆け寄ってくれた彼に
体を預ける形で、床に膝をついた。


「すみません…」


熱、上がってきたかな?


ぼーっとする頭で、
自分の額に手を乗せる。