「だからさ、何とか力になりたかった。
あんたの歌は、きっと聞く人の心を掴めるよ。
あいつも、倉田瑞季も同じだったはずだ。」
菅原さんは咳払いをする。
そして……
「あんたのこと、好きだよ。
軽く聞こえるかもしれないけど…歌声はもちろん、ふとした時の寂しそうな横顔も、子供みたいに笑う、表情も。
だけど…それを守れるのは、俺じゃない。
それは一番、あんたがわかってる…だろ?」
思わぬ告白、そして優しい言葉。目頭が熱くなり、私は口元を震える指先で覆った。
「なぁ、約束してくれよ。」
「約束…?」
――コンコン、
ドアをノックする音。
「菅原さん、もうすぐスタンバイです。」
「…わかった。」
スタッフからの指示に、渋々と答える。
もう、そんな時間か…
「…んじゃ、行くか。」
「…はい。」
立ち上がり、ギターを手にして、ドアへと向かう。


