赤音色した空から、
だんだんと夕闇に変わる。


そんな頃、
コーヒーショップは
灯りが昼間よりも弱くなり
ライトがブルーに近くなる。


店長とその友達は、
今日も機材や楽器を抱えてやってくる。


お店の中は、
いつものように賑わっていて
楽しそうな会話が耳に入る。


みんな、笑顔。


この一時を、一夜を、
存分に楽しんでるようだ。




「美春ちゃんっ、どうした?」


店長の友達の、
佐野さんが声をかけてきた。


「なんだか、キョロキョロしてるから。誰か、探してるの?」


「えっ!あ、いえ、なんとなく…」


「なんとなく?」


「そう。なんとなく……」