帰り際、


「俺の名前、倉田 瑞季(クラタ ミズキ)って言います。」


ニット帽を被りながら、そう言った。


瑞季…か。
良い名前。



「あっ…私は、栗田 美春って言います。」


伝える必要は無いのかもしれないけど、一応…ね?


「栗田、美春…そうしたら、同じですね。」


「へっ?」


「イニシャル。M.K…でしょ?」


倉田瑞季、栗田美春……
確かに。


頭の中でボーッと文字を並べていると、


「アイスカフェラテご馳走様でした。美味しかったです。」


そして、
綺麗な唇が、こう呟いた。









「また、今夜に。」