「実はね、俺も、ミュージシャン、目指して…るんですよ。」


「ほんとに…?」


「はい。でも、やっぱり道は遠い。」


苦笑いをして、
アイスカフェラテを口にした。


「…あの。」


「はい。」


「今日の夜、また来てもいいですか?
あなたの声、聞きたい。」



真っすぐな瞳。
胸がキュッと締め付けられる。





――あなたの声、聞きたい。





「ぜひ、来て下さい。」



火照りを隠すために、
目線を外す。



「良かった。」


そう言って、
彼はアイスカフェラテを飲む。