桜は?
「桜ッ!!」
俺は桜に声をかけた。
「何?」
俺に笑顔を向けてくれたことで、少し心が晴れる。
「……」
伝えないと。
今しかない。
チャンスは今しかない。
早く、
早く、言え、俺。
今しかないっ……!
♪〜♪〜
ケータイの…着信音…。
「あっ……!私だっ…!ごめんね!」
そう言って、桜は3メートル位離れたところに行った。
俺は……
悪いと思いながら、聞き耳を立てた。
よく聞こえない…
「あ、優太?…………」
優太?
誰だよ?
彼氏か?
高校生だからそれくらいいるか…。
いや、そうであってほしくない。
桜…。


