本屋の花子〜恋をしたら読む本〜

どうやら小池さんは僕が気になるのか?さっきから僕をチラチラと見ては見ていない振りをするんです。

僕は白衣と帽子に眼鏡とマスクなんで顔が隠れていますからチラ見はバレませんけど小池さんはサンタ帽なんで僕を見る度に赤い帽子がタンポポみたいに揺れるんです。



可愛いと思いません?




意外に色っぽい顔をしていました。



その調子で頑張って下さいケーキ屋花子さん



小池さんの就業時間終了午後5時まで。

1日経つのは早いです。


小池さんのケーキ完売まで後5個になっていました時計を見たら後5分しかありません


諦めずに小池さんはお客様にお声掛けを笑顔でしています目的、もう一冊のハードカバー新刊



今朝も買って来た本を僕に見せて嬉しそうでしたやっぱり小池さんは本の話をするとキラキラです

そのキラキラを明日も見たいと思いました


『ここにあるケーキ全部下さい』


僕の声に振り向いた小池さん薄っすら笑って言いました

『ありがとうございます。少々お待ち下さいませ』



ケーキを箱に詰めながら小池さんは泣きそうな顔になりました泣き虫ですから困ります


僕、何でこんなに優しいのだろう。



その優しさでケーキバイキングは幕を閉じました




無事に目標を達成した僕達大切な勝負だったような気がします




僕はケーキを下げて事務所でタイムカードを押しにくる小池さんを待ちました


後を追って来るように小池さんが入って来たんで


『あっ。小池さん今日もありがとうございました完売ですね』


『ありがとうございますは最後のケーキをお買い上げ頂いたお客様にですよぉ』



そう言った小池さんはまた涙目でした



『ん・・はいっ』


僕はケーキの箱を小池さんに渡しました


『何で?』



『ご褒美です』



小池さんは苦手なケーキを涙目になりながら目をシバシバさせて受け取ってくれました


小池さん僕はやっぱり貴女が好きなんですと言いそうになりました



だからあの話はまだ今日はしないで下さい


この余韻にどっぷりと浸かっていい気持ちでいたいので




僕、知ってるんですよ