「えと……朝倉颯(あさくらはやて)ですっ! よろしくお願いしますっ!」
緊張しているのか、朝倉さんはそれだけ言うと顔を真っ赤にして机に顔を伏せてしまった。
昨日のマウンド上の姿は実に凛々しいものだったけど、内面は恥ずかしがり屋さんなのかもしれないな。
――――――
「じゃあ次は……出席番号十二番の桜井さん」
「はい」
名簿を見た時に察しはついたが、立ち上がったのはやはり先ほど壇上で見た生徒会長の少女。
「桜井奏です。みんなは知ってると思うけど、今季の生徒会長を勤めることになったから、わからないこととか、生徒会への要望なんかがあったら気軽に言ってね」
あの長い金髪は地毛なのだろうか。
吸い込まれそうなワインレッドの瞳が印象的で、笑顔も眩しい。男子からの人気は高そうだ。
――――――
「次は……出席番号二十五番、宮永さん」
「……宮永紗雪(みやながさゆき)。よろしく」
ほっそりと呟いたのは先ほど校門前でぶつかってしまった小柄な少女。
どこか透明感のある真っ直ぐな瞳。
顔は整っていて、十分美人の部類に入るのだけれど、無表情だからか、あまり目立たない。
口数も少ない方らしく、それだけ言うとすぐに自分の席に座ってしまった。
――――――
「これで全員終わったな。時間もなくなっちゃったし、今日はここまで。これから一年間、みんなでクラスを盛り上げていこう!」
ちょっとクサいセリフだったかなと言ってから後悔してみるも、かしこから「おー!」といった元気な声が聞こえてきて、安堵する。
新任一年目、どうやら担当のクラスには恵まれているみたいだ。

