「紹介するね。あたし達、女子野球部の顧問になる――」
「まだなるとは言ってない」
「――顧問にする予定の笹沼健吾先生よ」
一応こちらの意思は尊重してくれるみたいだ。
「さっき挨拶してた新任の先生だよねー」
「ルックスは……普通ね」
「なんかぱっとしない」
それぞれからの第一印象はあまり良いものではなかった。
「さ、笹沼さんっ!」
そんな中、一歩前に出る少女。朝倉さんだ。
「会えただけじゃなくて、顧問になってくれるなんて……私とっても感激ですっ!」
……まだ正式に引き受けたわけじゃない。とは言い出せない雰囲気だよなぁ。
「え? もしかしてこの人がはやてちんの好きな人?」
「す、好きな人じゃなくて憧れの人だよっ!」
「同じじゃないの?」
「違うっ!」
活発そうなショートカットの女の子が横やりを入れ、慌てだす朝倉さん。
冗談で言ってることくらいわかりそうなもんなのに、ほんと忙しい子だなぁ。
「えと、笹沼健吾だから……ケンゴっちでおけー?」
活発そうな少女は朝倉さんから俺に視線を移すと、桜井さん以上にフランクな態度で話しかけてきた。
「ん、好きに呼んでくれて構わないよ」
「んじゃケンゴっちでけってーい。ボクは横峯優希(よこみねゆうき)。よろしくー」
「うん、よろしくね」

