しらたまがーるず


「…………野球部?」

 口で説明するよりもまずは見てもらった方が早いと言われ、連れて来られたのはグラウンド。

 そこでは数人の生徒が元気よくキャッチボールをしていた。

 端から見ればとても暖かい、青春を感じさせる光景なのだが、たった一つだけ、大きな違和感がある。

 それは…………そこにいる生徒が皆、女の子だということだ。

「そ、ケンゴにはこの『女子野球部』の顧問をやってもらいたいの」

「…………なんか、校長室で話した時とずいぶん印象が違うんだけど」

「ああ、あたしお爺さまの前では猫かぶってるから。本当は堅苦しいのって大嫌いなの。ケンゴも校長の孫だからって敬語とか使わないでよね」

 ……だからって初対面の、それも年上の異性にいきなり馴れ馴れしすぎると思うんだけど。

 それにしても……

「どうして、俺に?」

「はやてから聞いたのよ。知ってるでしょ? 同じクラスの朝倉颯」

「ああ、ポニーテールの、ちょっと忙しない話し方する子だろ?」

「そうそう、そのはやてからよくケンゴの話を聞いててね、しかもお爺さまに見せてもらった教員の応募の中にケンゴの名前があったんだもの。運命だとしか思えないじゃない? それで、その場でお爺さまに頼んでケンゴの採用を決定してもらったってわけ」

 つまり、俺みたいな新米がこんな有名校に務めることができるのも、新任早々一つのクラスを受け持つことができるのも、すべては目の前にいる少女のおかげ……ってことか。

 採用通知に浮かれていた自分が恥ずかしい。