「失礼します」
二回コンコンとノックをしてから、『校長室』と書かれたプレートが貼られた扉を開ける。
「これはこれは笹沼先生、お待ちしていましたよ」
「すみません。遅くなってしまって……」
そこにいたのは校長先生ともう一人、先ほどクラスでも自己紹介をしてもらった生徒会長の桜井奏さんだ。
「今日呼び出した理由はですね、ちょっと笹沼先生にこの子の話を聞いて欲しかったんですよ」
「あの、桜井さんはやっぱり……」
「えぇ、お察しの通り、私の孫です」
やっぱりそうなのか。名字が同じだからまさかと思ったけど。
「あの、先生。いいですか?」
「あ、はい」
後ろに控えていた桜井さんに声をかけられる。
校長先生のお孫さんだと思うと、かなり年下の女の子を相手にしているはずなのに、変に緊張してしまう。
「校長の孫と言っても、私が先生の生徒であることには変わりないんですから、そんなに緊張しないでください。そうかしこまられると話辛いですし」
「あっ、すみません……」
心の内を見透かされたかのような言葉に、一瞬ドキッとする。
さすが、生徒会長を務めるだけあって、できた子だなぁ。
「先生に折り入って頼みがあるんですけど」
「頼み? なんでしょう?」
「先生に、私が所属している部活動の顧問になってもらいたいんです」
部活の顧問? 他に顧問をやってくれる先生がいないってわけでもないだろうに、なんで僕に?
「えっと……何の部活動に所属しているんですか?」
「それは――」

