いちじく味のヨーグルトは

ほんのりピンク色だった



風邪を引いて味覚が麻痺した訳じゃないのに

いちじくの味も香りもしなかった





私が食べ終わると

亜矢夏は空っぽになったゴミを受け取り

捨ててくれた



テーブルの上に並べられていた品々も

亜矢夏の手によって片付けられていた




「熱は?」



私の額に手を当て



たぶん平熱だと思う私は



「さぁ〜」



と答えた