あめとてるてる坊主

 雨のにおいが残る商店街。

 夕食の買い物にいそしむ人達の中、私たちは雑貨屋にいた。

 かわいいとかきれいだとか言い合って、買うか買わないかは後回し。

 みんなで笑って、楽しめればいい。

 私の気持ちも晴れようとした時だった。

 てるてる坊主と目があった。

 ニコニコ笑うそれは、彼のカバンにぶら下がっていたあいつだった。