あめとてるてる坊主

 ゆらゆら揺れるのはぶら下げられた、てるてる坊主に似ている。

 無意識に隠したてるてる坊主。

 いまだに私は臆病ものだ。


 暗かった空が、一瞬まばゆく光った。

 それに私は目を奪われ、耳をつんざく音に心臓がはねたとき、空から水たまりが降ってきた。

 突然の雨音が耳をふさぎ、顔に雨が刺さった。

 人々が騒ぎ出し、慌ただしく動き出す。

 また人に押され、彼の背中が見えなくなりそうになったとき、彼が振り返り、何か言った。