あめとてるてる坊主

「はぁ?どういうこと?」

「んー、いやね、小学の友達と行こうかって話してたんだけど、私以外の女の子みんな彼氏と行くっていうからさ。女1人って寂しいじゃん?」

「……で、私たちってわけ」

「いいでしょー?里ちゃん、彼氏と行く約束とかしてないんだし。大丈夫!変なやつはいないからさ!」


 お願いと両手を合わせる沙世ちゃんから私は目をそらす。

 もわもわとのど元に這い上がってくる。

 胸が潰されると悲鳴を上げている。

 けれどけれど、それと同時に――彼とまた会える、という希望があった。