あめとてるてる坊主

 そう思ってしまう自分が情けなくて、傘で隠れるのをいいことに、私が唇をかんだ。


 どうかどうか。

 好きになりませんように。

 カバンを持つ手に力を込めた。


 視界に入った。

 横断歩道を渡る彼の姿。

 どきどきした。

 いつもと違うどきどきだった。

 バス停に来た彼は「おはよう」を言わなかった。

 いつもと違うメンバーに戸惑っているのかもしれない。