私は嬉しかった。

 無理やり聞かれると身構えていたところがあったから。

 もしそうされていたら、いい気分じゃなかった。

 私はまだ彼の存在を独り占めしていたいんだ。

 私は笑う里美ちゃんに頷いた。


「いつか、話すよ」

「うん、待ってるわ」


 そう言うと、自分の席に戻っていった。