「はいはい。聞き耳立ててないで、さっさと課題済ませたら?」
「ひどい、里ちゃん!見せてくれたっていいのに!イジワル、ケーチ!」
「私のでよければ……」
「駄目、晴子。沙世を甘やかさない。自分でやることはやらせなきゃ。いつも忘れてくるんだから、自業自得」
「うー、今回は言い返せません」
こんにゃろーと捨て台詞を残して、沙世ちゃんは再び机に向かった。
それを見届けた里美ちゃんが、私に顔を寄せてきた。
「根掘り葉掘り、無理やり聞こうとは思ってないよ。最近、晴子の雰囲気が違うって、沙世も気にしてたから。いつか話してくれるって思って待ってるからさ、話したくなったらいつでも言って」
里美ちゃんは笑った。

