あめとてるてる坊主

「何かいいことあった?」


 そう里美ちゃんがきいてきたのは、2限目の休み時間だった。


「――え?なんで?」

「んー、“私今幸せです”って顔してるからさ」


 両手で自分の顔を覆った。

 そんなに顔に出ていただろうか。


「晴子、授業中もどっか上の空って感じだったし、変だなぁと思ってさ。沙世ならまだしも」

「悪口はんたーい!」


 机に向かっていた沙世ちゃんが、振り返って抗議した。