どきどき。 雨の日のたびに盗み見るその横顔。 私は横顔しか知らない。 どんな声かも、名前すらも知らない。 何も知らないのに、雨の日にしか会えないのに、ただ隣にいるだけなのに、“いつも”の朝を彼は変えてしまう。 私に雨の日限定のどきどきを彼はくれる。 何も知らない彼に、私は恋をしていた。