「濡れて……」 「ああ……大丈夫、タオルあるから」 そう言ってかばんから取り出したタオルは、私がよく知っているタオルだった。 「返してもらったからね」 そして笑う彼に、私の心臓は大きく高鳴る。 眼鏡につづき、頭をふく彼を見ていると、ふと目線をよこしてくる。 「今日はどうしたの?」 と、いつもの優しい声で聞かれた。